中身はほぼ電車! 増え続ける電気式「気動車」にいま注目が集まる理由
ハイブリッド気動車の登場

まず登場したのは、ハイブリッド気動車だ。ハイブリッド気動車は、エンジンで発電させた電気を使用し、モーターを回転させるだけではなく、回生ブレーキ(運動エネルギーを電気エネルギーに変換することで制動をかけるブレーキ)で発生した電気を蓄えることも可能で、エンジンの余剰電力と組み合わせて、効率のいいエネルギー使用を可能にしたものだ。
このハイブリッド気動車は、まずはJR東日本の小海線にキハE200形が2007(平成19)年より試験的に導入され、その成功を見て仙石東北ラインのHB-E210系などが導入されるようになった。またJR九州では、YC1系が導入され、非電化区間での活躍が広まっている。
特急車両でもハイブリッド気動車が導入されることになった。JR東海では「ひだ」「南紀」に使用されていたキハ85系気動車の置き換え用として、HC85系を導入した。2019年末から長期的な試験を行い、量産車も投入され、ことし2022年7月に特急「ひだ」で使用されることになった。徐々にキハ85系を置き換えている。
しかしハイブリッド気動車は高性能ではあるものの、蓄電池があることで重量が増加し、構造も複雑化してメンテナンスも面倒になるという欠点もあった。それほどの高性能が必要ない場合では、蓄電池を省略したほうがいいということになる。そこで閑散線区に電気式気動車が投入されるようになった。
電気式気動車は、ディーゼルエンジンで発電機を回し、その電力でモーターを動かすという、ハイブリッド気動車から蓄電池を抜いた構造だ。現在は、ディーゼルエンジンも小型・軽量に、発電機やモーターも軽量になり、かつて電気式気動車が導入されたときのような貧弱な直流モーターとは違う交流モーターが使用されている。車体もかつてのように鋼製ではなく、ステンレス製で軽量車体となり、動かすのにそれほど大きな力が必要ではない状況にある。
また部品も、電気式気動車では電車と共通化させやすく、汎用(はんよう)性も高いため、コストダウンにつながっていく。そういう意味で、近年電気式気動車の導入が増えている。JR東日本のGV-E400系が、ローカル線に増えつつある。また、同形式をもとにしたH100形が、JR北海道に導入されている。JR西日本は、DEC700形を導入、運行試験を行っている。
いまの時代の普通列車向け気動車は、閑散線区向けの短編成の車両となっており、各線区に導入される際には、絶対数は少ないものとなっている。しかし、次第に導入に広がりを見せている。