中身はほぼ電車! 増え続ける電気式「気動車」にいま注目が集まる理由
JR東・JR北での電気式気動車の広がり

JR東日本のGV-E400系気動車は、2018年1月に両運転台車両1両と、片運転台車両2両1組、合計3両が新津運輸区に導入された。老朽化したキハ40形の置き換えだ。その後も導入は増え続け、現在では計40両が同運輸区に所属している。
秋田総合車両センター南秋田センターには、2020年7月から配置が開始され、五能線や津軽線などで活躍している。古くなった車両をどうするかが課題となる一方、新しい車両を開発する企業体力がないJR北海道では、GV-E400系とほぼ同等のH100形を導入した。機械的な部品が少なく、安全性が高いからだ。酷寒地対策をしているのが異なっている。
JR北海道では多くの国鉄型車両が残存しており、特にキハ40形をどうするかは課題となっていた。そういった車両のメンテナンスが困難になる状況の打開策だった。
2020年3月から乗客を乗せての運用が開始され、函館本線の小樽~長万部間や室蘭本線・宗谷本線・石北本線・根室本線で使用されている。計画では127両を量産することとしている。
H100形は全車両両運転台の車両で、片運転台の2両編成の車両の予定はない。予算のかけられない閑散線区では、こういった電気式気動車の導入が進んでいくこととなるだろう。
運転士養成費削減のメリットも

電気式気動車は中身がほぼ電車なので、電車の運転免許で運転しても問題はないようになっている。ただし講習は必要だ。もちろん気動車の免許でもOKだ。
これまでは、電車・気動車それぞれ別の運転免許が必要であり、運転士によっては両方所持していることもある。だが、人件費を抑制したい、配置転換を容易にしたいという鉄道事業者側の考えもあり、ハイブリッド気動車や電気式気動車の導入が進む。
特に、架線の下を気動車で運行するようなケースの場合には、電気式気動車が重宝される。また、本数の少ない閑散線区のために気動車の免許をわざわざ取得させなくても問題がないという利点もある。
こういった利点のため、今後は電気式気動車が普及していくのではないだろうか。いまの電気式気動車は、液体式気動車よりもコスト面で優れ、かつ走行性能も液体式気動車とそん色がなく、運転士の養成費用の面でも優れている。今後は電気式気動車が主流となっていくのではないか。