熱海「V字回復」に貢献! 185系「踊り子号」の淡き記憶と今後の未来
近年、観光客増加で「V字回復」を遂げた静岡県熱海市。その背景にはJR東日本の施策と輸送を支えた特急・踊り子号の存在があった。
熱海のイメージを一新した「ラスカ熱海」

東日本大震災が発生した2011(平成23)年、熱海の観光客数は年間523万人にまで落ち込んでいた。しかし、新型コロナウイルスの影響が出る以前の2018年には、708万人にまで回復した。熱海の「V字回復」を実現させたのは、JR東日本の施策と輸送を支えた特急・踊り子号の存在だ。
読者の皆さんは、熱海という街に対してどのようなイメージを持っているだろうか。著名人の別荘や老舗旅館がある「少し古い街」といったところだろうか。
そのような熱海に、JR東日本グループは2016年11月、駅ビル「ラスカ熱海」を開業した。これまでのイメージを払拭(ふっしょく)し、玄関口である熱海駅を明るく開放的な空間にした。駅ビル開業に伴い、駅構内の美化工事も実施し、待合室や改札内コンコースの環境を整備することで利便性向上を図った。
ラスカ熱海では、熱海だけではない伊豆の地元産品も扱っており、レストランなどの店舗も充実している。また、熱海観光案内所や宅配サービスを併設し、観光客のニーズに対応している。
ラスカ熱海は近郊都市に住む人々にとって、熱海を
「日帰り旅行の選択肢」
に入れることに成功した。