熱海「V字回復」に貢献! 185系「踊り子号」の淡き記憶と今後の未来

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近年、観光客増加で「V字回復」を遂げた静岡県熱海市。その背景にはJR東日本の施策と輸送を支えた特急・踊り子号の存在があった。

日帰り客は「約2.6倍」に

熱海(画像:写真AC)
熱海(画像:写真AC)

 ここで、日帰り旅行客数に関するデータを見てみよう。

 2011年、県外から来た宿泊客と日帰り客数は、それぞれ211万3332人と79万8365人だ。それが2018年には、それぞれ265万1020人と209万600ひとりとなっている。宿泊客は微増に対し、日帰り客は

「約2.6倍」

となっている。

 また、県外の日帰り客ひとり当たりの旅行消費額も、2011年には7069円だったものが2018年には8786円となっている。

 熱海駅は東海道新幹線が止まる駅だ。しかし、のぞみ号は止まらず、ひかり号も1日に数本しか止まらないため、基本的にはこだま号を利用することになる。一方、熱海駅は東海道本線や伊東線といった在来線が通る駅でもある。

 観光面で見ると、東海道新幹線とともに熱海までのアクセスを支えたのが特急・踊り子号だ。

 特急・踊り子号は、1981(昭和56)年10月に運行を開始した観光客をターゲットとした列車だ。東京駅始発の列車はもちろんのこと、池袋発や新宿発の臨時列車も運転されているため、都心からの熱海へのアクセスは抜群である。

 行き先は「伊豆急下田行き」と三島駅経由の「修善寺行き」のふたつに分かれている。修善寺行きは熱海駅まで伊豆急下田行きと連結して走り、熱海駅で分割された後、三島駅から伊豆箱根鉄道に入り修善寺まで向かう。

 40年を超える歴史を持つ特急・踊り子号は、鉄道ファンから人気もある251系、通称・スーパービュー踊り子など、さまざまな車両が運行されていた。そのなかでも、185系は開業の1981年から2021年まで40年間走り続けた車両だ。

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