独立したのに超絶ブラック! 物流の救世主「軽貨物ドライバー」を辞める人が後を絶たないワケ
旺盛なEC需要の拡大に伴う宅配貨物配送、ラストワンマイル配送の担い手として注目される軽貨物配送だが、課題が生じている。
宅配ドライバーは素人でもできるのか?

Amazonの配送を担い、経営を拡大してきた丸和運輸機関も2022年1月、労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けた。詳細は明らかにされていないが、同社が請け負ったAmazonの宅配業務について、一部の個人事業主ドライバーとの間で「労働者性」が認められたものと考えられる。
業務を委託する側と、業務を委託される側の間に指示命令系統が存在し、実質的な雇用関係があったかどうか。これが労働者性である。
先のAmazonのケースのように、1日の宅配ノルマを断ることができないとなると、個人事業主と言えど時間の拘束を受けることになる。その上、そのノルマが増やされてしまえば、個人事業主は燃料費や車両メンテナンスコストの増加を強いられながら、拘束時間も増えてしまう。
つまり労働生産性が低下してしまうのだが、そのハンドリングは、個人事業主ではなく、Amazonが握っていることになる。
労働者性があると判断されてしかるべきだろう。
だが一方で、こと宅配ドライバーという仕事に関しては別の疑問を感じる。
例えば、独立起業したばかりの個人事業主ドライバーに対し、荷物と伝票だけ託して「後は自由に配送してきてね!」と丸投げすることなどできるのだろうか?