アクセルとブレーキの「踏み間違い」どう防ぐ? 英国ではバス運転席に「小型カメラ」設置も

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アクセルとブレーキの踏み間違いにより発生する事故が、社会問題として認識されているのは日本だけではない。英国での取り組みを紹介する。

AT車の増加、背景にEVの普及

英ロンドンの交通イメージ(画像:pixabay)
英ロンドンの交通イメージ(画像:pixabay)

 運転者ベースで見てみると、イギリスにおける2020年の運転テスト160万件のうち、全体の12.7%がオートマ車によるものだった。それでも5年で90%増だという(2021年6月9日付、米サイト『U.S.News』)。

 このオートマ車の比率が上がったのは、EVの影響だ。EVはギアボックスがないオートマ車である。

 イギリスでは、2021年は新車販売台数のうち11.6%がEVだった。2030年以降はガソリン車とディーゼル車の新車販売が禁止されているので、当然今後の大きな伸びが考えられる。

悲惨な踏み間違い事故 英国でも

 EVといった新型の車であれば、安全のための装置が組み込まれていることも多いものの、まだまだ従来型の車も少なくないイギリス。

 当然ペダル踏み間違いも発生している。イギリスでは「ペダル・エラー」「ペダル・アプリケーション・エラー」「ペダル・コンフュージョン(取り違え、混乱)」などと呼ばれる。

 イギリスでは、2022年9月現在も裁判が続いている痛ましい踏み間違い事故がある。

 発生したのは2020年9月のこと。2児の母である39歳の女性が小学校に4WDで迎えに行った際、ペダル・エラーにより街路樹を根こそぎ引き抜き、小学校の校門に激突。この際、7人の子どもを含む11人に重軽傷を負わせた。跳ね飛ばされた子どもだけでなく、下敷きになった子どももいた(2022年7月26日付、『METRO』)。

 あたりには、金属の軋(きし)むような音、または銃声のような音が響いていたという。

 車自体に技術的な欠陥はなく、ペダル・エラーと判定された。パニックから意識が飛んだという彼女は、事故が発生し、人々が負傷したことは認めているものの、自身の運転が危険だったことは認めていないのだという。つまり無罪を主張している。

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