「住みたい街ランキング」は本当に正しいのか? 地方の交通網から感じた疑念、そもそも重要視すべき要素は何か
「街の住みここち&住みたい街ランキング2022<中国版>」で、広島県府中町が3年連続1位に輝いた。しかしランキングは本当に正しいのか。鉄道目線から問題を考える。
「住みたい街ランキング」への疑念
賃貸住宅大手の大東建託(東京都港区)が8月9日、「街の住みここち&住みたい街ランキング2022<中国版>」を発表した。ランキング上位に入ったのは、いずれもベッドタウンとして開発が進むエリアだ。そこから見えてくるのは、住みやすさだけでなく、将来に向けた公共交通整備の必要性だ。
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ランキングの1位から3位までは、次の通りとなっている。
1位:広島県府中町(3年連続)
2位:岡山県早島町
3位:広島県広島市南区
3位の広島市南区を除けば、1位と2位は近年ベッドタウンとして人気が上昇しているとされるエリアだ。
ランキングの各項目を見てみると
・生活利便性:府中町1位、早島町16位
・交通利便性:府中町2位、早島町1位
・行政サービス:早島町1位、府中町2位
となっている。また、ランキング上位の理由として、次のように書かれている。
・府中町「県内最小の面積ながら広島市のベッドタウンとして宅地化が進み、マツダを始め大手企業の工場などが集積しています」
・早島町「岡山市と倉敷市のベッドタウンとして宅地開発が進み、岡山県内最小面積の自治体です。近辺には複数の高速道路が通っており、高速道路へのアクセスが良いため、多数の物流拠点が立地しています」
ところが、冷静にこれらふたつの町の現状を考えると、本当に将来も住みやすいのか、疑問を覚える。なぜなら、どちらもが公共交通機関が到底充実しているとは言い難いからだ。