「ポストが小さすぎて荷物入らない」 配達員を振り回す利用者の勝手な都合、中には再配達で怒鳴られるケースも
しわ寄せは全て配達員へ

玄関ポストは、冒頭で言及したような玄関横のすりガラスなどに設置されているポストや古いアパートや団地などでよく見かける、玄関ドアそのものにポストがついているタイプで「郵便受け」ともいう。それこそ新聞や回覧板を想定した古いタイプのものだ。
集合ポストはマンションやアパートなどの正面玄関にあるポスト群のこと。古い団地などでは本当に小さくて、ネット通販など考えもしなかった時代に設置したものであることが多い。
そしてアメリカンポストとは外国でよく見る、庭先に刺さった棒の上に山型食パンのような筒状のポスト、および『ゲゲゲの鬼太郎』の「妖怪ポスト」のような鳥の巣状のポストだ。それこそニュースペーパーやレターのためのポストで荷物を入れることは想定されていない。筒状ポストの場合はA4サイズどころかB5サイズでもサイズによっては丸めて入れるしかないだろう。
「どれも手紙やハガキ、新聞を想定したものですからね、荷物が入ることを前提にしていない古いポストです。私の現役のころも、保険会社の約款とかファッション通販の電話帳みたいなカタログとか、入らないから困りました。丸めて入れると局に苦情が来ることもありますからね」
本当にどうすればいいのだろう。送る側(発荷主)は送ればいい、受け取る側(着荷主)は受け取れればいい。その身勝手は常に配達員にしわ寄せが来る。
「昔は小包をお隣さんにあずけたり、多くは勝手知ったるご近所さんだったりしたので『いいよ置いといて』で済んだのですが、いまの都市部だとそれは難しいでしょう。時間指定などもなかったり、あってもおおらかだったりしましたからね」
時間指定をして不在、何度も時間指定をしても不在、繰り返し配達するしかないが、そのリスクは配達員に押しつける。昨今問題となっている時間指定のモラルハザード(倫理観の欠如)と同じような問題というべきか。
「アメリカンポスト、おしゃれですけど湿気と雨ざらしでさびてボロボロだったりしますし、郵便物が汚れる場合もあります。あれは日本には合いませんね」