「ポストが小さすぎて荷物入らない」 配達員を振り回す利用者の勝手な都合、中には再配達で怒鳴られるケースも

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配達員を長年悩ます「ポスト小さい」問題。近年、それは顕著になっている。解決する方法はあるのか。

受け取り側のモラル次第では限界も

宅配ボックス(画像:写真AC)
宅配ボックス(画像:写真AC)

 もちろん、アメリカンポストにもトール状の大型ポストもあるにはあるが少数派だろう。大抵はおしゃれな庭先の道端に小さく刺さっている。筆者(日野百草、ノンフィクション作家)も日本であれになにを入れてもらうつもりなのだと不思議だったが、海外のようにおおらかな配達でポストに入らなければ敷地内にポンと置く、といった国でも、それを許せる国民性でもない日本には、個人的にもなじまないように思う。それに雨も湿気も多い国、実際に見かけても使われておらず別のポストが新調されていて、まさしくオブジェと化している家も見かける。

「ご自分の家ですからそれは自由なのですが、配達員のことも少しは考えていただけると後輩たちも助かると思うのです。結局のところ、ご自身の郵便であり、荷物なのですから」

 もっともな話で、そもそも自分の大切な荷物のはずだ。配達員も誠心誠意運んでいるが、受け取り側のモラル次第では限界もある。

 いまや受け取る側にも責任が求められる時代、ましてやコロナ禍はいつ終わるとも知れない昨今、一戸建ての場合は大型のポストに替えたり、それこそ宅配ボックスを導入したりを検討すべきだろう。

 古い団地やアパートでも玄関先に置ける宅配ボックスが各種発売されている。その上で集合ポストにその案内を書くなどの気遣いも必要だと思う。新しいマンションや集合ビルなどはポストが大型化しており、ポストとは別に宅配ボックス専用のフロアが設けられている。こうした対応はこれからも広まるべきだろう。

 時間指定したにも関わらず、不在を繰り返すモラルハザード同様に、旧態依然の「ポスト小さい」問題もまた、配達員のためにもみんなで改善すべき問題だろう。

「誰かが運ぶだろう」
「運ぶのは当たり前」

の時代は終わり、受け取る側である着荷主も配達に協力する社会的責任が求められる時代となった。繰り返すが、そもそもその荷物はあなたの大事な荷物であり、頼んでいるのは

「あなた自身」

なのだ。

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