揺れる「日本最北の無人駅」 存続危機ひとまず回避も、問われるべきは政治の責任だ
「最北の秘境駅」と言われるJR北海道・宗谷本線抜海(ばっかい)駅が今、廃止の危機に迫られている。鉄道マニアから絶対的な人気を誇るだけに、稚内市は対策に頭を抱えている。
伸し掛かる財政負担、市の対応は

抜海駅は1924(大正13)年開業の無人駅で、100年近い歴史がある。始発の稚内駅、続いて南稚内駅の次の駅で、稚内駅から14.4km。広大な風景の中に、木造駅舎がぽつんと建っている。
以前、映画ロケに活用されたこともあり、全国から鉄道ファンが訪れ、また写真マニアの憧れの場所になっている。
存続を決めた稚内市だが、では今後どのような方策で進んでいこうとしているのか。実は、今のところ決定的な方針はないようだ。
毎年出してきた除雪費100万円さえ難しい市の財政だから、無理もない。今後、稚内市の“お荷物”にならねばいいがと心配する市町村も多いようだ。
実はJR北海道は現在、ほかにも廃止を検討しなければならない鉄路をいくつも抱えている。
極端な言い方をすると、札幌につながる旭川―札幌―小樽の函館本線のほか室蘭本線、千歳線や、札幌教育大学、北海道医療大学が沿線にある札沼線くらいで、あとはどれも赤字路線か、それに近い状況なのだ。
鉄道離れは全国的に進んでいるが、とりわけ北海道だけ、なぜこれほどひどい状態になったのか。
北海道が開拓に着手して150余年たつが、その段階で政府は、将来を見越した計画を立て鉄路を次々に敷設していったのだ。
つまり、まだ住民が根づいていない場所まで鉄路を敷いたということだ。