まるでショッピングモール! 全国各地の「物流施設」が近年、大変身を遂げている理由

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近年、物流施設の開発が活発化している。箱型の簡素な建築物に暗い外溝といった、旧来のイメージも払しょくされつつある。

eコマースが急速に普及

千葉県船橋市にある「MFLP船橋III」(奥)、「MFLP船橋・&GATE」(手前)(画像:三井不動産)
千葉県船橋市にある「MFLP船橋III」(奥)、「MFLP船橋・&GATE」(手前)(画像:三井不動産)

 近年、物流施設の開発が活発化している。背景にあるのは通販やeコマースの急速な普及だ。特にオンラインショッピングは新型コロナウイルスの感染拡大前から、eコマース大手の参入によって国内市場が急成長していた。

 さらに今回のコロナ禍で幅広い層に普及し、売り上げを維持したい生産者の積極的な参入によって、その基盤も幅広く拡充された。eコマースはリアルの商業施設の需要を吸収、今は大手小売り事業者も参入している状況だ。

 リアルの商業施設が担ってきた小売りの役割の一部をeコマースが担うようになり、物流の役割も変化している。商業施設へ配送されて消費者が購入していた商品の一部を、今は宅配業者が消費者の自宅にまで直接届けている。そのため、都市近郊の郊外における大型拠点と、ラストワンマイル(客に物・サービスが到達する物流の最後の接点)のための都市内での小型拠点の整備が急務となっている。

 大型拠点開発が活発化しているのは、都市近郊にある

・高速自動車道のインターチェンジ近く
・幹線道路沿い

の立地だ。これらの立地は広域からの自動車での利用に便利であり、本来は郊外型商業施設やロードサイド商業施設の開発立地だった。1980~1990年代には活発な出店攻勢が見られたエリアだ。

 さらに、都市部のコンビニなどの空テナントには小型拠点の入居が見られる。つまり、物流が小売りの役割の一端を担うとともに、商業施設の開発立地も物流施設の開発立地に変わりつつあると言える。

 現在、商業施設はコロナ禍もあって業績が低迷しており、テナントとなるナショナルチェーンもコロナ禍で大きな打撃を受けて店舗数を縮小している。ロードサイドでは今後もガソリン高騰によって厳しい経営が予想され、以前のように旺盛な新規出店は期待できない。

 さらに、都市近郊と言っても地域によっては少子高齢化でマーケットがシュリンクしており、マーケットポテンシャル的に新たな商業施設開発が困難なエリアも出ている。特にある程度の規模の商業開発では開発業態の選択肢がない状態に陥っている。

 そのようななか、物流施設では自社物件ではなく、賃貸物件のマルチテナント型物流が開発されるようになり、不動産開発として価値が生まれ、開発シーンにおいても商業施設に代わる業態として、物流施設が候補にあがるようになってきている。