悪用される「性善説」 ロマンスカー9300回カラ予約事件に見る、現代人の様相と車両の「魔力」

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小田急ロマンスカーで「ウソ予約」を繰り返したとして、埼玉県志木市に住む48歳無職の男が書類送検された。性善説で作られる予約システムの今後とは。

各社のキャンセルリミットとは

EMotのウェブサイト(画像:小田急電鉄)
EMotのウェブサイト(画像:小田急電鉄)

 また2020年1月には、住所不定の親子が逮捕されている。

 彼らはホテルや旅館予約サイトを通じて、予約と無断キャンセルを繰り返し、ポイントを不正に取得していた。宿泊しなかった際、宿泊施設側がサイトに通知し、ポイントの付与を取りやめるシステムが悪用された。宿泊施設の一部は通知を忘れ、ポイントが付与されてしまう可能性があり、彼らは2200件以上の無断キャンセルを繰り返していた。

 こうした事件から見えてくるのは、多くの予約サイトが

「性善説」

で設計されていることである。性善説とは、人間にはもともと善の端緒が備わっているとする説だ。そのため、対策を講じても悪用される可能性は常に存在している。

 今回の事件に関して、決済しなかった場合のキャンセルのリミットが

「乗車15分前」

までだったことを指摘し、「即時決済」を推奨する声もある。

 支払い方法や、キャンセルのリミットは各社さまさまだ。

 JR東日本のえきねっとの場合、支払い方法はクレジットカードやコンビニ、駅での支払いに対応した上で、支払期限をそれぞれ設けている。予約時に、コンビニ支払いを選択した場合、セブン―イレブンでは申込日が乗車日の8日前より以前だと、申込日の2日後の23時59分までとなる。

 それ以外のコンビニは申込日が乗車日の4日前より以前の場合、申込日の3日後の23時30分まで、かつ駅営業時間内などとなっている。もっともギリギリまで引き延ばしても2日前までに支払わなければ自動的にキャンセルとなる。

 東武鉄道の場合、サイトでの購入はクレジットカードのみに対応している。ほかに駅や旅行代理店以外での購入方法としては電話があるが、電話した日から7日以内の支払いとなっている。小田急電鉄は同業他社に比べると柔軟に対応していたが、これがかえって悪用されたのだ。

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