止まぬウクライナ侵攻、今夏の「ヨーロッパ観光」に与えたダメージ量とは

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バカンスシーズンを迎えようとしているヨーロッパ。ロシアによるウクライナ侵攻の影響とは。

現時点のEU~ロシア間の交通手段

ヨーロッパバカンスのイメージ(画像:写真AC)
ヨーロッパバカンスのイメージ(画像:写真AC)

 ヨーロッパは、バカンスシーズンを迎えようとしている。

 2020年と2021年は、新型コロナウイルス感染拡大で、各国の観光業界にとって厳しい年だった。2022年は感染拡大前の状況に近づくのではないかと期待されたが、ロシアによるウクライナ侵攻が大きく影を落としている。

 そこで、現時点におけるEU~ロシア間の交通手段、ならびにトルコ、スペインなどの各国が置かれている状況について解説する。

 欧州連合(EU)各国とロシアを結ぶ交通手段の現状は、以下のとおりだ。

 ロシアによるウクライナ侵攻以降、制裁措置の発動により、ヨーロッパの航空会社によるEU~ロシア間の航空機の運航は行われていない。また、航空機の差し押さえリスクを回避するために、ロシアの航空会社による国際便も運航が停止されている。

 もちろん、ロシアへの制裁に参加していない国からの航空便の利用は可能だ。例えば、トルコからロシアに向けては、トルコの国営航空会社であるトルコ航空や格安航空会社ペガサス・エアーラインが運航を続けている。また、トルコ~ロシア間のバスも運行されている。

 ポーランドの首都ワルシャワから、ベラルーシを経由してロシアに向かう国際列車は、新型コロナウイルス感染拡大時に運休された。以降、現在に至るまで運行されていない。フィンランドのヘルシンキとロシアのサンクト・ペテルブルクを結ぶ鉄道は、ロシアの航空機のEUへの乗り入れが制限された際、EU~ロシア間の往来が可能な重要路線だった。しかし、3月下旬以降、ヘルシンキ~サンクト・ペテルブルク間の運行は停止されている。

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