止まぬウクライナ侵攻、今夏の「ヨーロッパ観光」に与えたダメージ量とは

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バカンスシーズンを迎えようとしているヨーロッパ。ロシアによるウクライナ侵攻の影響とは。

風評被害を受けているポーランド

ポーランドのクラクフ(画像:(C)Google)
ポーランドのクラクフ(画像:(C)Google)

 ポーランドは、トルコやスペインなどとは異なる形で、ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けている。チェコ共和国との国境に近いクラクフは、ヨーロッパ最大の中世のマーケットが残るなど、ポーランド屈指の観光地だ。新型コロナウイルス感染拡大前は、毎年1400万人以上の旅行客が訪れ、このうち外国からの旅行客は約320万人ともいわれていた。

 新型コロナウイルス感染拡大が落ち着き、2022年は旅行客の増加を期待していたが、あまり増えていない。それは、ロシアのウクライナ侵攻による風評被害だ。

 ロシアによるウクライナ侵攻により、ポーランドがヨーロッパの最前線になったことと、大量のウクライナ難民がポーランドに押し寄せてきたことが影響している。現在は、観光目的のホテルや宿泊施設は正常に稼働しているものの、主にバスによる団体旅行のキャンセルが続いている。

 2020年、2021年と、新型コロナウイルス感染拡大で大幅に落ち込んだヨーロッパ各地の観光地は、2022年こそは旅行客が戻ってくると期待していた。しかしながら、特にロシアからの観光客の依存度が高かった地域は、依然厳しい状況が続いている。

 ロシアからヨーロッパ各国への航空機のフライトが許可され、かつ国際的な決済手段も利用可能になれば再び旅行客は戻ってくるだろう。とはいえ、現時点ではそれが何時になるのか、先が全く見通せていない。

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