止まぬウクライナ侵攻、今夏の「ヨーロッパ観光」に与えたダメージ量とは

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バカンスシーズンを迎えようとしているヨーロッパ。ロシアによるウクライナ侵攻の影響とは。

トルコへの影響と国を挙げた取り組み

トルコ(画像:(C)Google)
トルコ(画像:(C)Google)

 トルコは貿易、エネルギー、そして旅行業においてロシアに大きく依存している。2019年における両国間の貿易総額は、257億ユーロ(約3.6兆円)と非常に高い。また、トルコによる統計では、2021年におけるロシアからトルコへの旅行客は、470万人といわれている。

 2022年は、ロシア人旅行客470万人がほぼゼロになると思われ、トルコ政府にとっては尋常でない事態だ。ちなみに、ウクライナからトルコへの旅行客は、2021年において200万人といわれており、2022年はウクライナからの旅行客も期待できないだろう。

 トルコ政府は、ロシアからの旅行客をチャーター便で迎えにいきたいと考えているが、ひとつ問題がある。それは、ロシアからの旅行客がマスターカードやVISAなどの国際ブランドを決済手段として使用できないことだ。

 そこでトルコ政府は、ロシアのクレジットカードであるMir(ミール)カードの導入を推進している。Mirカードは、現在アルメニア、キルギスタン、カザフスタン、ベラルーシ、ベトナム、キプロスなど12か国で使用できる。2021年末時点で、1億1360万枚発行済みだ。

キプロスやスペインも今年は絶望的か

キプロスの海岸(画像:写真AC)
キプロスの海岸(画像:写真AC)

 トルコ沖の地中海に浮かぶキプロス島も、ロシアの旅行客に人気のあるスポットだった。キプロス共和国では、宿泊客の約20%がロシアからの、約2%がウクライナからの旅行客だった。この22%の旅行客は、2022年は来ないものとみておいてよいだろう。

 しかしながら、キプロスのホテル協会は、

「フランス、ドイツ、ポーランド、ハンガリーなどのヨーロッパ各国との関係の改善により、ロシアからの旅行客が減少し、かつエネルギー価格の高騰にもかかわらず、今年は前年より改善されるだろう」

と期待している。

 ヨーロッパの中では、とりわけスペインがロシアの旅行客に人気があった。スペイン東側の地中海沿岸にある、人気観光地コスタ・ドラダを有するカタルーニャ地方は、2019年の実績では、ロシアからの旅行客が19%を占め、国別では3番目に多かったそうだ。

 ロシアによるウクライナ侵攻前は、「ロシア製ワクチンのスプートニックを接種したロシア人をどうやって連れてくるか」が、スペインの観光業界の関心事だった。というのは、スプートニックはEUで有効なワクチンとして認められていないからだ。しかし、そもそもロシアから旅行客が来なくなったため、議論の必要がなくなった。

 ハンガリーで有名な温泉保養地であるヘーヴィーズも、ロシアやウクライナからの旅行客に支えられていた観光地だ。2022年は、ドイツからの旅行客獲得に力を入れている。

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