ドローンなど駆使、設備点検のプロセス自動化 日立がAIプラットフォーム開発
インフラの品質維持と保守効率の向上
日立製作所は、地域社会を支える社会インフラの強靭(きょうじん)化に向け「設備点検AIプラットフォーム」を開発した、と発表した。複数のインフラ事業者を中心に実証を重ね、地域全体でのインフラ管理の効率化やコスト最適化を目指すとしている。
インフラ事業者をはじめ、AIベンダーなどのベンチャー企業や大学、研究機関などさまざまなステークホルダーと連携し、技術やノウハウを取り込んでいくオープン・プラットフォーム。
ドローンやロボットなどと連携したAI画像診断システムを活用することで、目視確認など人手の作業に依存していたプロセスを一気通貫で自動化。それにより、さらなる効率化を実現する狙いがある。
また、多種多様なAIシステムの導入や長期稼働が求められることを見据え、AIの管理・運用を効率化するプラットフォーム構成とすることで、システム投資の最適化にも寄与するとしている。
近年、インフラ設備の高経年化により設備障害のリスクが高まっているが、保全・管理に要する人員や予算は限られており、インフラ品質の維持と保守効率の向上がいっそう求められている。
特に日本では、少子高齢化による現場作業員の減少が深刻になる一方で、社会生活の高度化によるインフラ依存が高まっている。とりわけ災害時などには、限られた作業員で多種多様なインフラ設備の維持や迅速な復旧が求められる。
こうした課題を受け、技術革新が急速に進むDXをインフラの設備点検業務に適用することが注目されており、目視点検をサポートする技術としてAI技術の開発や実証事業が盛んに行われている。
今後は、橋梁(きょうりょう)や鉄塔など高所での危険作業を伴うインフラ設備点検の業務をドローンやロボットで代替し、ドローンなどで撮影した動画をAIで診断するといった、さらなる保守・管理の高度化が求められている。