バッテリーEVの重要課題「発熱対策」どうする? メーカーで分かれる「冷却方法」とは
2022年5月に横浜で開かれた「人とくるまのテクノロジー展2022」。なかでも注目を集めたテーマのひとつ、BEVの熱問題について各メーカーに話を聴いた。
横浜で開催「人とくるまのテクノロジー展」
2022年5月25日(水)~27日(金)にパシフィコ横浜で行われた「人とくるまのテクノロジー展2022」には、自動運転や電気自動車、サスティナブルな素材などが出展された。特にバッテリーの熱対策と電費対策の軽量化に重点を置いた出展が多かったと感じる。
その中で最も多く語られていた「BEVの熱問題」について、どのような対策が考えられているかをまとめる。
BEVで発熱する部品
世間ではしばしば、ガソリンエンジンからモーター駆動に変わることによってオーバーヒートが無くなる、そのため冷却用の部品であるラジエータは無くなるなどと言われることがある。
しかし、BEVにおいても発熱し、熱問題による性能低下があるため、オーバーヒート対策が必要であることを忘れてはならない。
例えば“最悪中の最悪”想定ではあるが、モーターを過熱し過ぎると、エンジンが壊れるようにコイルが焼き切れたり部品が焼き付きを起こしたりして、不動になることがある。リチウムイオンバッテリーでは、発火の危険性まである。
BEVには、発熱する部品が多く搭載されている。エネルギーを蓄えるバッテリー、その電気を伝える配線、出力を調整するインバータ、電力を駆動に変えるモーターなど、BEVの根幹となる部分そのほぼ全てが熱問題と直面することになる。
今回のテクノロジー展では、その熱問題に注力した部品が多く展示されていた。