バッテリーEVの重要課題「発熱対策」どうする? メーカーで分かれる「冷却方法」とは

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2022年5月に横浜で開かれた「人とくるまのテクノロジー展2022」。なかでも注目を集めたテーマのひとつ、BEVの熱問題について各メーカーに話を聴いた。

軽量化と熱問題

左がアルミ材、右がマグネシウム材(画像:渡喬)
左がアルミ材、右がマグネシウム材(画像:渡喬)

 BEVにはガソリン車のエンジンと同じように、走行用のバッテリーケースやモーターのケースなど大型で重たい金属部品が存在する。その金属を軽量な素材に替えられれば、BEVの大幅な軽量化が可能になるといっても過言ではない。

 そこで注目されている素材に、マグネシウム材がある。

 今まで冷却と軽量の観点から、放熱性が高い銅(360~380W/mK)や、アルミ(200~230Wmk)が冷却備品にメインで使用されることが多かった。

 現在注目されるマグネシウム(150W/mK)は放熱性に乏しく、採用までに時間が掛かったという(「W/mK」は熱伝導率の単位。数値が大きいほど熱がよく伝わる)。

 現在実用化されているものでは、日産フェアレディZのミッションケースなどが代表例で、素材メーカーの見解では、少量生産だからこそ実現できたとのこと。

 そのようなマグネシウム材だが、アルミ材以上まで放熱性を高めたものが展示されていたのだ。

 この素材は、国内だけでなく世界の自動車メーカーでも注目されている。しかし展示会に登場する場面は決して多くないため、貴重な話を聞けたと言える。

 普段、世間に広くお披露目されることのない材料の世界だが、中国との貿易関係、ロシア・ウクライナの戦争など、多岐の問題に振り回されながらも尽力している姿が現場にはあった。

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