バッテリーEVの重要課題「発熱対策」どうする? メーカーで分かれる「冷却方法」とは

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2022年5月に横浜で開かれた「人とくるまのテクノロジー展2022」。なかでも注目を集めたテーマのひとつ、BEVの熱問題について各メーカーに話を聴いた。

バッテリー・モーターの発熱対策

 BEVにおいてバッテリーの発熱問題は切実だ。充電が遅くなる、総走行距離が短くなるといったことが起こり、思うように使用できないという話がユーザーの間でも多く聞かれる。

 しかし、発熱する部品はバッテリーだけではない。

 それがBEVやHV、PHEVの根幹中の根幹といえるモーター、バッテリー、インバータの3点セットである。

 インバータについては現在、専用の液体に浸かった金属の箱の中に搭載されている仕様が多いことから、熱対策に対して各メーカー共通の手法があることがうかがえる。

 しかしながらバッテリーやモーターは、メーカーごとに「水で冷やす水冷」「油で冷やす油冷」「空気で冷やす空冷」が混在している。

 水冷や油冷のメリットは、空冷に比べて熱の変化が少なく性能が安定することだ。

 逆に空冷のメリットは、水冷、油冷に必要なユニットを要しない分、軽く安くできることとなる。

 また、部品によって増えた重量は電気の消費量に直結し、さらに水やオイルを循環させるためにポンプが必要になり、別途電気も必要、モーター出力から分散させても駆動用のエネルギーを奪ってしまう。

 空冷にして軽量安価で作るか、冷却システムを設けて安定高価とするか、製品のコンセプトとして、どちらも必要だろう。

 熱問題について各メーカーに聞くと、それぞれから似たような見解が返ってきた。

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