なぜ京急は営業収益を「1000億円」も増やせるのか? 羽田空港駅の大規模改修と収益モデルの変化、問われる次の一手とは
京浜急行電鉄が変貌を遂げようとしている。過去最高となる449億円の鉄道設備投資を進める一方、今期の営業収益は不動産事業の急成長を背景に前期比32%増の4015億円と、1年で約1000億円も急増する見通しだ。本業の枠を超え、私募リートなど「不動産投資会社」へと舵を切る同社の戦略と勝算を読み解く。
過去最高の鉄道設備投資

京浜急行電鉄は2026年6月以降、羽田空港第3ターミナル駅でホームドアの更新工事にあわせ、国内最大級となる75インチのデジタルサイネージを設置し、旅客通路などの内装改修を行う。視覚的な表現と情報発信機能を強め、日本らしさを感じられる空間づくりを進めるとしている。
同社は5月11日、2026年度の鉄道事業設備投資計画を発表した。同計画では、安全対策の強化やホームドアの設置、連立事業の推進に向け、過去最高となる総額約449億円の設備投資を行う。このうち約137億円は、ユニバーサルで快適な輸送サービスの提供に充てるとしている。同駅でのホームドア更新やデジタルサイネージの設置費用は、この137億円から支出する。
同社が直近で発表した鉄道事業設備投資計画は、2022年度が総額231億円、2023年度が総額295億円、2024年度が総額324億円、2025年度が総額370億円となっており、近年は増加が続いている。しかし、この金額の増加はコスト増だけでは説明できない。
2026年度の投資額449億円には、駅や車両の照明設備のLED化や省エネルギー設備の導入など約8億円、羽田空港第1・第2ターミナル駅の引上線新設工事、泉岳寺駅の改良工事、今後の人手不足への対応や業務効率化を進めるためのICTやDXの推進など、将来の成長に向けた投資として約101億円が含まれている。短期的には費用増となるが、先を見据えた投資としての側面も大きい。
なお、ホームドアなどの鉄道安全対策工事については、京急グループの京急建設や京急電機が担っており、これらの事業の売上や利益は京急本体の連結決算に反映される。