なぜ京急は営業収益を「1000億円」も増やせるのか? 羽田空港駅の大規模改修と収益モデルの変化、問われる次の一手とは
京浜急行電鉄が変貌を遂げようとしている。過去最高となる449億円の鉄道設備投資を進める一方、今期の営業収益は不動産事業の急成長を背景に前期比32%増の4015億円と、1年で約1000億円も急増する見通しだ。本業の枠を超え、私募リートなど「不動産投資会社」へと舵を切る同社の戦略と勝算を読み解く。
不動産けん引の大幅増収予想

今回、同社の連結決算発表が大きな注目を集めたのは、2026年3月期の確定した数字ではなく、今期となる2027年3月期(2026年4月1日~2027年3月)の業績予想である。
同社が示した今期の業績予想では、営業収益が前期比32.0%増の4015億円、営業利益が同34.1%増の450億円、経常利益が同52.5%増の440億円となっている。営業収益は1年で
「1000億円」
近く増える見通しで、業界内でも大きな注目を集める強めの見通しとなっている。
この強めの見通しの背景にあるのが、不動産販売業における不動産流動化の本格化と、分譲マンション販売戸数の増加である。業績予想では、不動産事業の営業収益は同181.4%増の1435億円、営業利益は同327.3%増の200億円となっている。このうち不動産販売業の営業収益は同303.3%増の1216億円、営業利益は前期の3億円から167億円へ増加する見通しで、増加幅が大きいことから資料上は比率の表示がない。
全体の増収予想973億円のうち、914億円を不動産販売業の増収が占めている。予想どおりに進めば、今期の成長の大半は不動産販売業によるものとなる。
大手私鉄グループでは、古くから不動産事業を収益の柱としてきた例が多い。同社も例外ではないが、今期の予想では不動産事業が鉄道を含む交通事業の営業収益や営業利益を大きく上回る見通しとなっている。
もっとも同社は、前述のとおり本業である鉄道事業への投資も継続している。ただし今後は、不動産事業の比重を大きく高める方向へ進むことになる。