自動運転中のスマホ操作、日本はOKなのに「イギリスはNG」 いったいなぜなのか?
2022年4月、日本では自動運転レベル4を可能とする改正道路交通法が可決成立。またイギリスでは、レベル3の規則変更が発表された。各レベル下で「できること/できないこと」は各国で分かれる。その違いをリポートする。
運転中のスマホに厳しいイギリス
同じレベル3でも、携帯電話の操作が日本では合法で、イギリスでは違法となるのが興味深い。
ここで通常の車両を運転する際の携帯電話操作に関する法律を日英で見比べてみたい。
日本では、運転中に携帯電話を使用すると「6か月以下の懲役または10万円以下の罰金」が課されることがある(交通の危険があった場合はもっと重い)。反則金として普通車は1万8000円、基礎点数は3点とある。ただし、停車中の携帯電話の操作は禁止されていない。
イギリスでは、2021年11日から法律が強化され、運転中に携帯電話に手を触れると200ポンドの罰金と運転免許の減点を受ける可能性が生じるようになった。信号や渋滞で停止している間に画面のロック解除をするのも許可されていない。
例外になるのは、「警察、消防、救急車などの緊急サービスに電話をかける」、また「ドライブスルーにおいて携帯電話で支払いをする」場合のみ。
イギリスでは停車中も携帯電話の操作が禁止されているところが、自動運転レベル3のルール「携帯電話の操作禁止」にも影響しているのかもしれない。
ところで、日本におけるJAFに相当するロードサービスであるRAC(Royal Automobile Club、イギリス王立自動車クラブ)の広報は、
「携帯電話操作で捕まる可能性が低いと人々が考えていては法律を強化しても効果がない。イギリス政府も、他国のように携帯電話の使用を自動的に検出するカメラの導入を検討する時期が来ていると考えている」
と発言している(2022年3月25日付、『RAC』)。
自動運転を抜きにしても、運転中の携帯電話操作については今一度考える必要があるように思われた。