Uberでドリフト体験? 「配車アプリ」が目指す次の市場、運賃に“最大50%上乗せ”でも選ばれる理由とは
配車アプリの競争軸が大きく変わり始めた。Uberは期間限定のドリフト体験を打ち出し、GOは高級車サービスを拡充。9800万円の負債を抱えて倒産した新興勢力も現れるなか、勝敗をわけるのは「安さ」ではなく「体験価値」へ――モビリティ産業の新たな戦場を追う。
車両の魅力と体験による差別化

「Uber Drift」の発表と歩調を合わせるように、Uber Japanは日産との協力による「Uberプレミアム」への新車両導入を明らかにした。今夏に登場する新型エルグランドは、16年ぶりの刷新を経て、689万7000円となる見通しだ。
タクシー会社がこの車を取り入れる際、Uberがその後押しを担う。メーカー側も、車を売って終わりとするのではなく、プラットフォーム側と組んで移動の質を高める役割に踏み出し始めている。
こうした流れを見ると、Uberが日本で描く道筋は、安さを競い合うモデルとは一線を画している。むしろハイヤーに近い高級路線にかじを切り、記憶に残るような満足度を届けることに重きを置いている。
その一方で、厳しい現実に直面したのが配車サービスの「スグクル」だ。運営元のスグクルは、約9800万円の負債を抱え倒産に至った。運転代行からハイヤーまで手広く手掛けていたものの、大手の競合を前に独自の立ち位置を築けなかった。いまの市場では、早く呼べる利便性だけでは立ち行かない。選ばれる車自体の魅力や、そこで得られる体験の珍しさが、ビジネスの成否をわける要素になっている。