Uberでドリフト体験? 「配車アプリ」が目指す次の市場、運賃に“最大50%上乗せ”でも選ばれる理由とは
配車アプリの競争軸が大きく変わり始めた。Uberは期間限定のドリフト体験を打ち出し、GOは高級車サービスを拡充。9800万円の負債を抱えて倒産した新興勢力も現れるなか、勝敗をわけるのは「安さ」ではなく「体験価値」へ――モビリティ産業の新たな戦場を追う。
旅の目的を創出する体験の拡張

2026年5月19日、Uberが発表した期間限定ツアー「Uber Drift」が関心を集めている。6月3日から7月1日まで茂原ツインサーキット(千葉県茂原市)で行われるこの企画は、プロが操る車の助手席でドリフトの迫力を味わえるというものだ。同社が進める「Go Anywhere」構想を形にしたプランといえるだろう。
これまで日本のUberといえば、数キロ圏内の移動や食事の配達を助けるツールとして定着してきた。だが世界に目を向けると、アプリの役割は移動の仲介をはるかに超え、旅の価値そのものを束ねる存在へと広がりを見せている。
例えば英国では2022年から鉄道や飛行機の予約ができるようになり、現地の遊びを予約する機能も加わった。南アフリカでも2024年10月から翌年1月まで、サファリ体験を予約できる「Uber Safari」が提供されている。
こうした動きは、配車アプリが移動の道具から、旅の目的そのものを作る存在へ移り変わっていることを示している。利用者の暮らしに深く入り込み、移動の始まりから終わりまでをひとつのアプリで繋いでいく。そんな流れが、モビリティ産業に新しい景色をもたらしている。