「こんな一台を待っていた」 ホンダ予約7000台は始まりにすぎない? 日本メーカーが東南アジアで挑む“次の主役”づくり
東南アジアで日系ブランドのシェアが「67.4%」から低下する一方、中国勢はEVとSDVで急伸。日本車の強みだった“壊れにくさ”だけでは選ばれにくくなるなか、各社は地方戦略や体験価値の再設計を通じ、新たな勝ち筋を模索し始めている。
揺らぐ日系ブランドの優位性

日本国内では日系メーカーが圧倒的な強さを保っているが、東南アジアに目を向けると、これまでの景色が変わりつつある。タイやインドネシアなどの主要国では、中国ブランドがバッテリー式電気自動車(BEV)を軸に勢いを増してきた。日本車が長年築き上げた品質や燃費性能という価値基準に対し、彼らは異なる尺度を突きつけている。
車両機能がソフトウェアで拡張され、直感的な画面操作が当たり前になるなか、車は移動の道具としての完成度を競う段階から、購入後の体験がどう向上し続けるかという新たな地平に足を踏み入れた。一方で、日本の足元を見ると、電動化は独自の道を歩んでいる。2026年4月の新車販売ではEVが前年同月比2.6倍の7545台を数え、普及に向けた動きが数字に表れ始めた。
今求められているのは、電動化への対応を急ぐことだけではないだろう。世界的に人々の好みが移り変わるなか、信頼や安心という日本車の持ち味が、新しい刺激を求める若い世代にどう受け入れられるか。そこがこれからの行方を占うことになる。
今回は、東南アジアで起きているシェアの変動を読み解き、各社が進める地域戦略やブランドのあり方、さらには正面衝突を避けた市場開拓などを通じて、日本メーカーが描くべき進路を考えてみたい。