「在庫がもつのはあと2か月」 自動車整備・鈑金塗装の現場に何が起きているのか? なぜここまで追い込まれたの? 66%が示す事業継続の時間制約

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中東情勢にともなう補修資材不足で、シンナー取扱事業所の88.7%が欠品・遅延、全事業者が150%以上の価格上昇を経験。在庫2か月未満が約8割、65.5%が供給停止で3か月以内に継続困難と回答するなど、修理現場の存続力が問われている。

中東発、供給網を襲う資材危機

自動車整備のイメージ(画像:写真AC)
自動車整備のイメージ(画像:写真AC)

 中東情勢の悪化にともなう補修資材の不足は、価格の上下動にとどまらず、流通網や在庫管理、取引の仕組みそのものに変化を迫っている。車を修理し価値を保つアフターマーケットにおいて、シンナーやエンジンオイルといった基礎資材が届かない状況は、移動の基盤を維持する力そのものを改めて問う問題となっている。

 現場の経営を左右するのは、技術や立地よりも、必要な物資が確実に手に入るかどうかという一点に集約される。プロトリオス(大阪市)が全国594事業者(鈑金塗装477、自動車整備77、車販21、部品用品販売8 ほか)を対象に行った調査では、シンナーを扱う事業所の88.7%が欠品や入荷未定、あるいは納期遅延の状況にあると回答した。価格面でも、回答したすべての事業者が150%以上の上昇を経験しており、そのうち32.0%は170%以上の値上がりという厳しい状況に直面している。

 物が入らず、価格だけが上がるという二重の制約は、これまでの事業の仕組みが外部環境の変化に対して弱かったことを示している。安定して資材を確保できる流通経路を持つかどうかが、企業の存続に直結する重要な要素として浮かび上がっている。

 供給不安の背景には、中東情勢の緊張を起点としたナフサ由来資材の不安定化がある。補修資材の多くは石油化学の工程と深く結びついており、上流の原料市場で起きた変動が、末端の現場におけるシンナー一缶の価格や流通量へと大きく影響している。

 メーカー側も2021年以降、繰り返し価格改定で対応してきたが、2026年時点では値上げだけでは追いつかず、物そのものが手に入らない局面に入っている。価格による需給の調整は十分に働かず、どの取引先に資材を回すかという配分の判断が前面に出ている。過去の取引実績や契約関係が供給の優先度を左右する状況が強まっている。さらに、製造コストの上昇を背景にメーカーが採算の合わない製品を絞り込む動きも、現場の選択肢を狭める要因となっている。

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