「在庫がもつのはあと2か月」 自動車整備・鈑金塗装の現場に何が起きているのか? なぜここまで追い込まれたの? 66%が示す事業継続の時間制約
中東情勢にともなう補修資材不足で、シンナー取扱事業所の88.7%が欠品・遅延、全事業者が150%以上の価格上昇を経験。在庫2か月未満が約8割、65.5%が供給停止で3か月以内に継続困難と回答するなど、修理現場の存続力が問われている。
在庫量で決まる経営の持続時間

調査から見えるのは、在庫量が経営の続く時間をそのまま左右している厳しい現実である。シンナーと塗料では、現在の在庫だけで事業を続けられる期間が2か月未満と答えた事業所が全体の約8割に達している。供給が完全に止まった場合には、65.5%の事業者が3か月以内に事業の継続が難しくなると答えた。
これまでの効率重視のやり方では在庫を減らすことが正しいとされてきたが、その前提が外部の不安定さの前で弱点として表れている。手元の資材が切れれば、熟練した作業者がいても作業は止まる。固定費の支払いは続くため、在庫が尽きることは資金の回りをすぐに悪くする。経営者は在庫を費用として減らす対象ではなく、事業を続けるための備えとして見直す必要がある。事業を保てる時間は、手元にある資材の量でそのまま決まっている。
一方で、資材不足の影響はすべての現場に同じようには及んでいない。納期と売上の両方に影響が出ている事業所は30.5%、納期だけに支障があるところは26.1%にのぼる一方で、43.4%は影響なしと答えている。同じ状況下でも差が生まれる背景には、事業の形や日々の対応力の違いがある。
とくに目立つのは、シンナー価格が全体として150%以上上昇するなかで、以前から水性塗料へ切り替えていた事業者の存在である。溶剤への依存を減らしていたことで、影響を比較的抑えることができている。また、早い段階で資材を多めに確保できた事業者と、日々の調達に追われる事業者の間で差がはっきりしている。これまで重視されてきたのは技術や価格だったが、いまは外部からの変化に対応できる調達の仕組みや作業の土台を持っているかどうかが、事業の力を左右している。