日本の「交通系IC」を脅かす韓国の刺客?――累計900万枚が押し広げるボーダレス移動、交通と決済はどこまで一体化するのか

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キャッシュレス決済比率が58.0%(162.7兆円)に達した日本で、国際ブランド対応のデビット・プリペイドが存在感を増す。韓国発「Travel Wallet」は900万枚の実績を背景に日本市場へ進出し、移動と決済の境界を再設計しようとしている。

国境を越えるシームレスな移動

トラベルウォレットで韓国都市部の公共交通機関を利用できる(画像:トラベルウォレットJAPAN)
トラベルウォレットで韓国都市部の公共交通機関を利用できる(画像:トラベルウォレットJAPAN)

 カードを手にすれば、日本で使い慣れた

「交通系ICカード」

と同じ感覚で街を歩けるようになる。ソウル、釜山、大邱といった主要都市の地下鉄やバスが、このカード一枚で済んでしまう。

 トラベルウォレットは、日本で発行されるプリペイドカードとして、韓国の交通ネットワークと残高が連動する日本初の試みだ。これがあれば、もう現地の交通カードと決済用のカードを何枚も持ち歩く必要はなくなるだろう。自国での日々の移動を支えながら、そのままの便利さを外の世界へも持ち出す。こうした仕組みは、国民のパスポート所有率が6割にも達する韓国の社会ならではの発想といえる。

 もともと日本の公共交通にタッチ決済が入り込んだのは、インバウンドへの対応がきっかけだった。日本政府観光局(JNTO)によれば、2025年の訪日外国人旅行者数は4268万人に達し、1473万人であった日本人出国者数を大きく上回っている。だが、これからの流れはそれだけにとどまらない。

 2026年2月の日本人出国者数を地域別にみると、韓国が48万1789人と突出しており、米国(17万5226人)や台湾(16万6393人)を上回る人気を見せている。さらに法務省出入国在留管理庁の速報値によると、翌3月の日本人出国者数も151万9000人(前年同月比+6.7%、2019年比-21.3%)を数えており、日本人の外向きの動きは着実に加速している。

 海外へ向かう日本人が、いかに現地で心地よく動けるか――2020年代後半は、インバウンドへの配慮を土台にしつつ、日本人が世界のどこへ行っても滞りなく移動できる、そんな地盤が整えられていく時期になりそうだ。

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