日本の「交通系IC」を脅かす韓国の刺客?――累計900万枚が押し広げるボーダレス移動、交通と決済はどこまで一体化するのか
キャッシュレス決済比率が58.0%(162.7兆円)に達した日本で、国際ブランド対応のデビット・プリペイドが存在感を増す。韓国発「Travel Wallet」は900万枚の実績を背景に日本市場へ進出し、移動と決済の境界を再設計しようとしている。
独自規格から世界標準への転換

Travel Payカードのようなデビット・プリペイド型の決済は、これからの移動のあり方を考えるうえで興味深い可能性を秘めている。
経済産業省の資料によると、2025年のキャッシュレス決済比率は前年を上回り、58.0%(162.7兆円)にまで伸びた。内訳はクレジットカードが
「82.7%(134.6兆円)」
と圧倒的だが、デビットカードも3.4%(5.5兆円)を占め、市場を形作っている。
見逃せないのは、デビットカードが普及していくスピードだ。比率で見れば、2010(平成22)年にはわずか0.2%、2018年でも1.8%にとどまっていたが、2017年に突如
「1.7%」
へと跳ね上がり、そこから勢いを増している。
トラベルウォレットの日本展開にあたっては、野村総合研究所やGMOペイメントゲートウェイといった国内の主要インフラ事業者とも連携しており、国際ブランドのカードが社会に馴染んできた時期ともうまく合致した。独自の交通規格の枠を超え、世界共通の土俵で移動と支払いが完結する。そんな時代への変化を、このサービスは物語っている。