国産バンの牙城どうなる? 世界「3位」の韓国グループが進める、「小型商用車」の価値拡張とは
世界3位の現代自動車グループから、起亜(キア)が13年ぶりに日本再上陸を果たした。狙いは国産勢の牙城、商用車市場だ。ギネス記録の航続距離693kmを誇るEVバンを武器に、商社の双日と組んで「車を超えた基盤(PBV)」を展開する。完成車販売からサービス提供へ。商用車が「動く不動産」と化す地殻変動が今、始まる。
サービス化する商用車ビジネス

国内のLCV市場では、トヨタの「タウンエース」や日産の「キャラバン」、「プロボックス」といった汎用性の高いモデルが長く主役を務めてきた。これらは道具としての実用性を極めてきた一方で、使い道そのものを自在に変えるという発想はどこか後回しにされてきた感がある。
ところが今、風向きが変わりつつある。単に荷物を運ぶだけでなく、車中泊を楽しむ自分だけの空間や、街角に現れる移動店舗など、求められる役割が目に見えて多様化している。
こうした変化を後押ししているのが、世界の市場で進むEV化だ。床面が平らになり、動力の置き場に縛られなくなったことで、ひとつの車台を土台として、そこからいくつもの用途を派生させるやり方が主流となった。商用車はもはや、作って届ければ終わりの完成品ではない。使い勝手に合わせて形を変え続ける、いわば動く基盤へと姿を変えつつある。
この流れは、企業の稼ぎ方をも変えていくだろう。これまでの車両を売って利益を得るやり方から、後付けの装備や動かすためのソフトウェア、さらには日々の運行管理といった、使い続ける中で生まれるサービスへの対価が大きな比重を占めるようになるだろう。
使う側にとっても、大きな資産を抱え込むリスクを避け、必要な時、必要な分だけを使いこなす。そんな効率を重んじる運用が、これからの当たり前になりそうだ。