日本車シェア「8割」の牙城に激震? 中国が送り出す「EVみたいなハイブリッド車」、燃費“2.22L”が示すプリウス超えの現実

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2026年北京モーターショーでは、中国勢がEV技術を転用した高効率HVで燃費2.22L/100kmを提示し、日本勢が握るHVシェア8割の構図に挑戦。電動化の主戦場は、内燃と電気の融合設計へと急速に移行している。

プリウス超えを狙う吉利の猛追

中国(画像:Pexels)
中国(画像:Pexels)

 この中国勢の猛攻を象徴するのが、民営の先駆けとして知られる吉利控股集団(ジーリー・ホールディング)だ。1986年に冷蔵庫の部品づくりから始まったこの企業は、創業者・李書福氏の執念とともに1997年に自動車製造へと打って出た。今や

・ボルボ・カーズ
・ロータス

を傘下に収め、世界の大企業ランキングにも名を連ねる多国籍企業へと変貌を遂げている。2025年には世界で410万台もの車を送り出し、その半分を超える230万台が電動車という圧倒的な規模を背景に、HVの領域でも破壊的な力を振るい始めている。

 北京モーターショーの開幕を直前に控えた4月13日、吉利が発表した人工知能活用の新技術は業界に小さくない衝撃を与えた。トヨタが長年リードしてきた領域へ真っ向から挑む次世代技術「i-HEV」は、燃費や走り、信頼性といった全方位で進化を遂げている。実際、海南島での走行試験では新型セダン「エムグランド」が100kmあたり2.22Lという燃費を叩き出した。これは2024年にプリウスが米国で打ち立てた2.53Lを上回る数字であり、中国勢の底力をまざまざと見せつける結果となった。

 中身を覗くと、エンジンの熱効率は48.41%という驚異的な水準に達している。1.5Lから2.0Lのターボまで三つのエンジンを用意するが、真に目を向けるべきは電動駆動ユニットの最高出力だろう。日本車の2倍近い230kWというパワーは、彼らがEVの開発で積み上げてきた高電圧システムの基盤をそのまま流用することで実現している。緻密な機械工作の精度を重んじてきた日本車に対し、中国勢は強力なモーターという物量で対抗する道を選んだ。

 走りの質も大きく変わる。モーターが走行時間の8割以上を受け持つことで、エンジンの出番は従来よりも3割以上減った。エンジンを発電や補助役に徹じさせる手法は、部品を共通化しやすく、つくる側の効率も引き上げる。この技術を積んだ

・星瑞
・星越L

はすでに予約販売が始まっており、街なかへ広がるのも時間の問題だろう。機械工学の積み重ねを電気工学のスピード感で飛び越えようとするこの動きが、これまでの勢力図を根本から変えてしまうかもしれない。

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