トヨタ「燃費改善」で首位、テスラと明暗――米国で3.3mpg差を生んだSUVシフトとは

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平均燃費は過去最高の27.2mpgに到達したが、その内実は電動車とSUV偏重による「数値の押し上げ」だ。BEV・PHVが1.7mpg分を補填し、規制と収益を両立させる構造が浮かび上がる。技術革新だけでは語れない、燃費改善の実像に迫る。

大型化と電動化が左右する燃費動向

大手メーカーの技術シェア。2024年モデル(画像:米国環境保護庁)
大手メーカーの技術シェア。2024年モデル(画像:米国環境保護庁)

 1975年以降、あらゆる車種で燃費性能は向上した。ピックアップトラックを除く全車種で、1975年時点の2倍以上の数値を記録している。2024年モデルを前年と比較すると、トラックSUVは1.0mpg改善し、過去最高の25.7mpg(1galあたり約10.9km)に達した。ミニバンやバンも向上したが、ピックアップトラックは前年並みにとどまった。一方、セダンやワゴン、乗用車SUVの燃費は2024年モデルで低下に転じている。

 市場は長年、燃費効率に優れる小型車から大型車へとシフトしてきた。各車種の単体性能が向上しても、車両の大型化がその効果を相殺する構図が続く。この状況を統計上で補っているのがBEVとPHVだ。

 2024年モデルでは、乗用車SUVの30%がBEV、3%がPHVを占めたことで、燃費数値を9.0mpg引き上げた。セダンやワゴンはBEVが7%、PHVが1%で1.8mpgの改善。トラックSUVはBEVとPHVがそれぞれ4%で1.0mpg向上し、ミニバンはPHVが5%で0.6mpg、ピックアップトラックはBEVが2%で0.3mpgの寄与となった。

 セダンや乗用車SUVの燃費低下は、メーカーが内燃機関の開発を縮小し、経営資源を収益性の高い大型電動SUVへ優先配分している実態を映し出す。電動化車両による燃費数値の底上げは、排出規制への対応を可能にするだけでなく、高利益な大型車を継続販売するためのコスト調整手段として機能している。

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