トヨタ「燃費改善」で首位、テスラと明暗――米国で3.3mpg差を生んだSUVシフトとは

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平均燃費は過去最高の27.2mpgに到達したが、その内実は電動車とSUV偏重による「数値の押し上げ」だ。BEV・PHVが1.7mpg分を補填し、規制と収益を両立させる構造が浮かび上がる。技術革新だけでは語れない、燃費改善の実像に迫る。

SUV偏重が生む市場構成の変化

実走燃費の推定値(画像:米国環境保護庁)
実走燃費の推定値(画像:米国環境保護庁)

 米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が運用するCAFE規制では、軽車両を

・乗用車
・トラック(非乗用車)

に分類する基準を設けている。2024年モデルの新車実績では、この基準による乗用車の比率は34%にとどまり、残りの66%がトラックに分類された。同局のリポートでは、車種をセダン・ワゴン、乗用車SUV、トラックSUV、ピックアップトラック、ミニバン・バンの5タイプに分けて詳細に分析している。

 乗用車SUVとトラックSUVの境界は、四輪駆動の有無や車両総重量が約2720kgを超えるかといった点にある。これらに該当するSUVは原則としてトラック扱いとなり、同リポートでもトラックSUVに分類される。それ以外の二輪駆動モデルなどは乗用車SUVとなる。長期的にはセダンやワゴンからSUVへの移行が鮮明で、2024年もその傾向は継続した。実際にトラックSUV以外の全車種が生産台数を減らしており、現在はトラックSUVだけで新車全体の半数を占める。こうした傾向は、市場の嗜好に加え、

「メーカー側の収益確保の論理」

が強く働いた結果といえる。トラック分類の車両は乗用車よりも燃費規制の目標値が緩やかに設定されている。メーカーにとっては、利益率の高い大型車を規制の制約を抑えながら販売できる利点がある。規制枠組みの差異を背景に、高収益な大型モデルへ生産を寄せる動きが現在の市場構成を形作っているのだ。

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