トヨタ「燃費改善」で首位、テスラと明暗――米国で3.3mpg差を生んだSUVシフトとは
平均燃費は過去最高の27.2mpgに到達したが、その内実は電動車とSUV偏重による「数値の押し上げ」だ。BEV・PHVが1.7mpg分を補填し、規制と収益を両立させる構造が浮かび上がる。技術革新だけでは語れない、燃費改善の実像に迫る。
電動化で押し上げられる平均燃費

米国環境保護庁(EPA)の最新リポートによると、新車の平均燃費は着実な向上を続けている。2024年モデルの実燃費(推定値)は前年比0.1mpg改善し、過去最高の27.2mpg(1galあたり約11.6km)を記録した。2004年モデル比では41%の改善となる。過去20年間のうち16年で性能が向上しており、各メーカーが環境規制への対応を経営課題としてきた実績が示された。2025年モデルの暫定データでも、この改善傾向は続く見通しだ。
ただ、この数値はエンジンの効率化のみで達成されたわけではない。燃費向上は生産車種の構成変化と技術革新が組み合わさった結果である。スポーツタイプ多目的車(SUV)へのシフトが鮮明になるなか、各社は同車種に最新の省エネ技術を優先投入している。ここで大きな影響を与えているのが
バッテリー式電気自動車(BEV)
プラグインハイブリッド車(PHV)
だ。これら電動車を除外した場合、2024年モデルの平均燃費は25.6mpgまで低下し、全体数値を1.7mpg下押しする計算になる。
こうした差は、内燃機関による効率改善が費用対効果の面で限界に近付いている実態を浮き彫りにする。メーカーは現在、純粋な機械的進化を追うよりも、高価格な電動車を投入することで企業平均燃費(CAFE)を目標水準まで引き上げる戦略に傾斜している。
大型車を好む消費者の傾向が続くなか、過去最高の更新は、電動化車両による数値の補填という経営判断に支えられている側面が強いのだ。