ベンツ・レクサスを抑えて「ダントツ1位」――経営者164人が選んだ愛車ブランドの正体
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経営者164人調査で84.9%が自動車保有。64.02%が節税不使用、31.05%でトヨタが首位。高級外車神話が崩れ、実利重視とリセール志向への転換が鮮明に浮かび上がる実態が明らかになったといえる
判断の負担軽減

こうした経営者の振る舞いをひも解いていくと、大きく分けて三つの側面が見えてくる。
まずは、判断に費やす手間を限りなく削ぎ落とそうとする姿勢だ。経営者の時間は、何よりも貴重な資源である。刻々と変わる中古車相場や複雑な税務処理をいちいち追いかけるのは、それだけで大きな負担になりかねない。結果として、手放す際の価格が予想しやすく、故障の心配が少ない、そして市場に広く流通している一台へと落ち着いていく。
この条件を過不足なく満たしているのが、首位のトヨタだ。一方で6位にとどまったレクサスのような、付加的な価値を積み増したブランドは、多忙な彼らにとって今は余計な考慮事項と映っているのかもしれない。
次に挙げられるのは、手元の現金を何より重く見る感覚だ。帳簿上の利益を削る節税という守りの姿勢よりも、いざという時にいくら現金が手元に残るかという実利を重視している。リセールバリューを意識する経営者が6割を超えている事実は、彼らが車を使い切りの経費ではなく、機動的に換金できる資産として捉えている証左だろう。価格の変動が激しい輸入車に比べ、市場で安定した価値を保ち続けるトヨタ車への信頼は、こうした現金重視の経営感覚と合致している。
そして最後は、ビジネスを支える道具としての原点回帰だ。今回の回答者には、建設業やサービス業といった、自ら現場を走り回る層が目立つ。こうした環境において、車に求められるのは華美な外装ではなく、実務を滞らせない信頼性に他ならない。壊れにくく、万が一の際もすぐに直せて、どんな場面でも気兼ねなく使える。そうした「道具」としての強みが、複雑な計算を超えたところで、多くの経営者を同じ選択へと向かわせている。