燃料サーチャージ「形骸化」の正体――157円で崩れる採算構造【短期連載】1リットルの重み(1)
原油高が直撃するトラック業界で、燃料費を運賃に転嫁できる企業は23.2%にとどまる。収支率100.7%の薄利構造のもと、燃料が150円/Lで赤字に転落する例も出ており、従来の運賃見直しだけでは追いつかない現実が浮き彫りになっている。制度対応の遅れが経営を圧迫している。
低収益が招く赤字転落

燃料価格がわずかに上がるだけで赤字に陥る背景には、営業収支率が100.7%にとどまる収益の薄さがある。これは、運賃・原価に関する調査における26~30台規模のトラック運送事業者の平均値である。ここで、営業収支率によって車両1台あたりの利益がどのように変わるかを見ていく。
運賃・原価に関する調査によれば、同規模の事業者の営業収支率は最大105.5%、最小97.3%と幅がある。営業収支率が高いほど、同じ燃料の基準価格でも利益の余裕が生まれ、燃料価格の上昇にも持ちこたえやすい。
一方、営業収支率が低い事業者ほど、将来の価格変動に備える手段として、燃料サーチャージ導入の重要性が高まる。