燃料サーチャージ「形骸化」の正体――157円で崩れる採算構造【短期連載】1リットルの重み(1)

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原油高が直撃するトラック業界で、燃料費を運賃に転嫁できる企業は23.2%にとどまる。収支率100.7%の薄利構造のもと、燃料が150円/Lで赤字に転落する例も出ており、従来の運賃見直しだけでは追いつかない現実が浮き彫りになっている。制度対応の遅れが経営を圧迫している。

燃料高が直撃する収益構造

車両1台あたりの利益の推移。営業収支率100.7%の事業者(画像:滝碧)
車両1台あたりの利益の推移。営業収支率100.7%の事業者(画像:滝碧)

 燃料サーチャージの導入であれ、基本運賃の引き上げであれ、燃料価格の上昇分を収益にきちんと反映できなければ、経営に大きな打撃となる。ここでは、燃料価格の上昇がどの程度の影響を与えるのか、モデルケースで確認する。

 A社は4tトラックを30台保有している。1台あたりの内訳は、固定費(車両費・保険料など)が15万9623円、人件費(ドライバー)が31万7035円、一般管理費などが12万8613円、燃料費(走行距離4968km/月・燃費6km/L・150円/L)が12万4200円である。これらを合計した経費は72万9471円となり、収益(営業収支率100.7%)は73万4577円、利益は5106円にとどまる。これらの数値は、国土交通省と全日本トラック協会の調査に基づく4t車の平均値を用いている。

 A社では、契約時に燃料の基準価格が130円/Lであれば、1台あたり約4990円の利益を確保できる。しかし、燃料価格が150円/Lまで上がると赤字に転じる。その後、新たな契約で基準価格を150円/Lに見直せば、1台あたり5106円まで利益は持ち直す。東ト協アンケートで見られた

「基本運賃を上げてもらっている」

という回答は、この対応にあたる。ただし、基本運賃の引き上げでは、過去の燃料高には対応できても、その後のさらなる上昇には追いつかない。今回の試算では、157円/Lで再び赤字に転落する。本来は、その都度、速やかに運賃を見直せればよいが、実際には容易ではない。見直しができなければ、事業者が赤字を抱えることになる。

 これに対し、燃料サーチャージを導入していれば、燃料価格の上昇分をその都度補うことができる。燃料サーチャージは、将来の燃料価格上昇に備える仕組みといえる。

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