日産が去り、中国が笑う?――シェア4割「日本車王国」崩壊の序曲、現地生産シフトが突きつける辛らつ現実

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人口16億人を抱え、世界人口の4人にひとりが将来アフリカに暮らすとされるなか、南アフリカは域内GDPの約2割を占める中核市場だ。年59万台の新車市場で日本勢は約4割を確保するが、中国勢の現地生産拡大と日産の撤退を契機に競争は一気に加速している。

電動化政策と産業転換

ステランティス、南アフリカ産業開発公社、および貿易産業競争省と生産工場建設に関する覚書を締結(画像:ステランティス)
ステランティス、南アフリカ産業開発公社、および貿易産業競争省と生産工場建設に関する覚書を締結(画像:ステランティス)

 南アフリカ政府が、自動車産業の電動化に向けて大きくかじを切った。その背景にあるのは、強い危機感だ。主な輸出先である欧州などで環境規制が一段と厳しくなるなか、もし対応が遅れれば、国内で作った車が国際市場から弾き出されかねない。

 貿易産業競争省は2023年12月、電気自動車(EV)に関する白書を発表した。ここでは、これまでのガソリン車中心から、EVを含む多様な動力源へ移り変わる道筋を示している。2024年度の予算には投資を促す仕組みも盛り込まれた。具体的には、2026年3月からEVや水素車への投資額に対し、150%の税控除を認めるという。さらにハイブリッド車やプラグインハイブリッド車(PHV)を対象にした枠組みの整備も進む。購入者への補助金や、電池生産を支えるための支援も検討されている。

 もっとも、この国には慢性的な電力不足という大きな壁がある。頻発する計画停電は、これまでEV普及を阻む最大の要因と見られてきた。しかし、事態は少し意外な方向へ動き始めている。停電が当たり前になるなかで、EVを「走る巨大な蓄電池」として捉え、家庭の電力を補う手段に使おうという関心が高まっているのだ。

 こうした変化を捉え、既存の工場でも投資が活発になっている。BMWは2024年からロスリン工場で、輸出向けの「X3」のPHV生産を始めた。フォードもまた、2025年から看板車種であるピックアップトラック「レンジャー」のPHV生産に乗り出している。

 新たな動きもある。ステランティスは2026年、東ケープ州で新工場を稼働させる。当初は年5万台、将来的には9万台まで増やす構えだ。2030年までに、地域内で売る車の9割を現地生産にするという高い目標も掲げる。欧米メーカーは南アフリカを、一市場ではなく、アフリカ全体へ車を送り出す重要な拠点として位置づけている。

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