「ピーク旅客数は256万人…」 100年の歴史刻む“日本最北の私鉄”を襲った不測の事態――止まったストーブ列車、収益と地域に広がる影響とは
営業収益1.5億円規模の中で数千万円の減収――。ストーブ列車の運行中断は、津軽鉄道の収益構造の脆さを露呈した。訪日客増と運賃倍増で25.9%増収を達成した矢先の失速。地域観光を支えてきた列車の停止は、地方私鉄の経営の限界を映し出す。
運行中断の経緯

津軽鉄道は2026年3月31日、公式サイトで「ストーブ列車無料開放終了のお知らせ(令和7年度定期運行終了に伴う)」と題する告知を掲載した。
ストーブ列車は、例年12月1日から3月31日までの冬の期間、客車の一部にだるまストーブを据えて走る同社の看板列車である。今季は、2025年12月29日、津軽飯詰駅を出てすぐに起きた気動車と客車2両の連結部の分離により、運行を中断していた。
同社は、走行中に連結器が外れるという重大な事態を重く受け止め、原因の確認と再発防止に向けた点検と調査を続けてきたが、連結の再開には至らないまま、今季の定期運行を終えた。
連結を見合わせていた間は、津軽五所川原駅構内4番線にストーブ列車の客車を留め置き、車内を無料で開放して雰囲気を楽しめるようにしていた。だが、今季の定期運行の終了に合わせ、この無料開放も3月31日で終了した。
ストーブ列車は同社の看板列車であると同時に、冬の津軽地方にとって有力な観光資源でもある。そのため、長く続いた運行中断は、地域の観光にも大きな影響を及ぼした。五所川原市の佐々木孝昌市長は4月2日の定例会見で、長期の運休などにより大幅な減収が見込まれる津軽鉄道に対し、2027年度から青森県とともに財政面で支える方針を明らかにした。