「ピーク旅客数は256万人…」 100年の歴史刻む“日本最北の私鉄”を襲った不測の事態――止まったストーブ列車、収益と地域に広がる影響とは

キーワード :
, ,
営業収益1.5億円規模の中で数千万円の減収――。ストーブ列車の運行中断は、津軽鉄道の収益構造の脆さを露呈した。訪日客増と運賃倍増で25.9%増収を達成した矢先の失速。地域観光を支えてきた列車の停止は、地方私鉄の経営の限界を映し出す。

黒字回復と収益増の内訳

無料開放中のストーブ列車(画像:写真AC)
無料開放中のストーブ列車(画像:写真AC)

 ただ、この626万円という数字は前向きな動きと受け止められていた――。

 補助金を含む結果ではあるが、黒字化は2年ぶりであり、鉄道事業の営業収益も前年度比で25.9%増えている。収益が伸びた主な理由は、

・訪日客の増加
・ストーブ列車券の値上げ(500円から1000円)

である。通学利用など、長く減り続けてきた地元の利用を、ストーブ列車を軸とした観光需要が大きく補った形となった。

 このため、2025年12月29日に起きた分離によりストーブ列車の運行が止まったことは、津軽鉄道にとって打撃が大きかった。2026年4月4日時点では、2025年4月1日から2026年3月31日までの損益計算書は公表されていないが、一部報道では、長期の運行中断による減収は数千万円と見込まれている。鉄道事業の営業収益が1億5000万円規模であることを踏まえると、この減収は重い。

 見方を変えれば、津軽鉄道がストーブ列車に大きく頼っている実態が、あらためて浮き彫りになった。

全てのコメントを見る