「遮断機のない踏切」今後なくせるのか? 改修費1か所「1500万円以上」という現実、膨大な更新負担と安全投資の行方とは

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踏切は全国で減少を続ける一方、今も第3・4種踏切が約1割残り、1か所の改修費は1500万~2500万円にのぼる。近鉄はAI見守りを本格導入し、限られた資金と人手の中で安全をどう確保するかが問われている。

無遮断踏切の残存問題

踏切(画像:写真AC)
踏切(画像:写真AC)

 踏切と聞いて、誰もがまず思い浮かべるのは、黄色と黒の縞模様が施された遮断機と、あのお馴染みの警報音だろう。だが、日本の線路をよく眺めてみれば、そんな当たり前の設備が一切ない場所が今も点在していることに気づく。

 遮断機も警報機も存在しない「第4種踏切」。そして、警報機こそあれど遮断機が降りてこない「第3種踏切」。これらは安全性の観点から、長らく議論の対象となってきた。本来であれば、これらをすべて遮断機付きの

「第1種」

へと作り変えるか、いっそ廃止するのが理想だ。しかし、話はそう単純ではない。

 最大の壁は、莫大な費用である。設備のアップグレードにかかるコストは、自治体や国の財政を圧迫し、巡り巡って国民の税負担として跳ね返ってくる。地方のローカル線ともなれば、1か所の改修が路線の存続そのものを揺るがしかねない。

 一方で、鉄道を走らせる側の視点に立てば、踏切事故の代償はあまりに大きい。一度事故が起きれば、ダイヤの乱れや車両の損壊に留まらず、社会インフラとしての機能不全を引き起こす。事後の対応や損害賠償、さらには企業としての信頼失墜までを考慮に入れれば、安全への投資を高いと切り捨てることもできないはずだ。

 多額の資金を投じてすべての踏切を第1種へ変える――それ以外に、現状の設備を生かしながら安全の質を高めていく術はないのだろうか。私たちは今、効率と命の優先順位を、改めて問われている。

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