食品メーカーを襲う「物流インフレ」の正体――転嫁要因73%、価格主導権は工場から輸送へ移るのか?
帝国データバンクの調査で、食品2798品目が平均14%の値上げとなり、原材料高99.8%を軸に物流費72.9%へと重心が移る構図が鮮明となった。人件費やエネルギー、円安も同時に上昇し、価格形成の前提が大きく揺らいでいる。
物流費転嫁の拡大

2026年3月31日に発表された帝国データバンクの最新調査によると、飲食料品の値上げは2798品目に達し、2026年に入って初めて大きな値上げの動きとなった。1回あたりの平均値上げ率は14%に及んでいる。
今回目立つのは、値上げの理由の変化である。原材料高が99.8%と引き続き大きな要因である一方で、
「物流費」
を理由にした転嫁は72.9%まで広がった。ここから見えてくるのは、商品価格を左右する重心が、工場のなかから輸送の過程へと移りつつあるという状況だ。
これまで物流は外で発生するコスト上昇を吸収する役割を担ってきた。しかし現在は、先行きの読みにくい物価動向を価格に映す基準のような働き方に変わっている。原材料高の負担が最終的な価格へと伝わる流れのなかで、物流費がその通り道になっているとも言える。結果として物流は輸送の機能にとどまらず、
「企業の収益を左右する振れ幅の大きい要素」
になっているのだ――。