食品メーカーを襲う「物流インフレ」の正体――転嫁要因73%、価格主導権は工場から輸送へ移るのか?

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帝国データバンクの調査で、食品2798品目が平均14%の値上げとなり、原材料高99.8%を軸に物流費72.9%へと重心が移る構図が鮮明となった。人件費やエネルギー、円安も同時に上昇し、価格形成の前提が大きく揺らいでいる。

原材料依存からの転換

「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年4月(画像:帝国データバンク)
「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年4月(画像:帝国データバンク)

 これまでの食品産業は、原材料を安く仕入れ、無駄を減らしながら作ることで利益を守ってきた。物流は配送費を抑える対象にとどまっていたが、この前提は変わり始めている。

 製造の現場では、電気やガスといったエネルギーの上昇を理由にした値上げが60.0%に達している。工場内の工夫だけでは吸収できない水準に入っている。原材料の搬入段階からエネルギーの負担は増しており、生産の価値は作業そのものだけでなく、

「移動の負担を抑えながら完成まで持っていく」

管理の力へと移っている。

 販売の現場でも変化は進んでいる。物流は安価な仕組みから、手に入りにくい資源へと変わりつつある。ドライバーの働き方に関する規制が強まったことで、運びたくても運べない場面が増えている。今回の調査で物流費の転嫁が72.9%を超えたことは、トラックの確保自体が高い費用をともなうサービスになっている現実を示している。

 輸送手段を確保できない販売計画は、競争の立場を維持しにくくなっているのだ。

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