「誰を責任者にすればいいんですか」 改正物流効率化法、施行直前でCLO選任率「43%」――荷主企業が動けない根本理由
2026年4月施行を前に、物流改革は足踏みが続く。責任者の78.9%が負担増を実感する一方、CLO選任は43.4%にとどまる。予算不足や社内調整の難航が重なり、各社の合理的な判断が、結果として全体の停滞を招いている。
先行投資回避と競争ねじれ

2026年3月の調査時点で、8割近くが負担を感じている。規制が求める水準と、企業が持つ人手や資金がかみ合っていないことが背景にある。
「既に計画を策定済みで、実行している」は20.4%にとどまる。多くの企業が慎重な姿勢を崩さないのは、
「先行投資によるコスト増が競争上の不利につながる」
ことを気にしているためだろう。競合が責任者を置かず、従来のやり方で低コストを維持する場合、法を守る企業ほど短期的に利益率が下がる。そうしたねじれが、施行直前の停滞を招いている。
特定事業者の基準は物量という数値で区切られる。ただ、実際の物流の複雑さは業種ごとに異なる。8割近くが抱く負担感は、自社の実態が現在の法の枠にうまく収まらないことへの抵抗でもある。このずれを埋めようと各社が個別に対応を探る。その過程が、全体の進みを遅らせている。
48.4%が選任を予定としているのは、施行後の監督の厳しさを見極めてから動こうとするためだろう。この動きは各社にとってはリスクを抑える判断だが、全体としては責任者がいないまま、形だけの計画が並ぶ状態を生んでいる。