「中国の部品が9割?」 トヨタ“EV変革”が迫る供給網の転換、系列維持に突きつけられた現実とは

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中国EV市場で進む主導権の移行は、トヨタ「bZ3X」が4か月で約2.6万台、累計8万台を販売した事実にも表れる。価格は約253万~368万円と低く、部品の多くを中国系に依存する中で、日本メーカーと日系サプライヤーは開発権限と供給網の変化に直面している。

中国へ移る主導権

トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)
トヨタのロゴマーク(画像:AFP=時事)

 世界最大の電気自動車(EV)市場である中国において、トヨタや日産、マツダなどの日本メーカーは、中国企業への開発権限の移動を進めている。

 開発期間の短縮や現地の需要に沿った商品展開、コスト競争力の強化を掲げているが、実際には日本メーカーが長年保ってきた開発の主導を中国側の体制に任せる動きにほかならない。内燃機関車で優位を築いてきた物理的な資産や特許は、ソフトウエアや開発の速さを重視する中国の体制の前で、その価値が相対的に下がっている。

 日経クロステックは2026年3月16日、トヨタが現地主導で開発したEVモデル「鉑智3X(bZ3X)」について、部品の大半を中国企業から採用した“bZショック”を報じた。トヨタはこの報道を否定しているが、複数のアナリストの分析では、部品の最大9割近くが中国企業から供給されているとされる。

 bZ3Xはトヨタと広州汽車集団の合弁会社である広汽トヨタが開発を主導しており、従来トヨタを支えてきた系列の日系部品メーカーの多くが受注を得られなかった。

 これまで日本メーカーの車両開発は本社が全体の責任を負う体制で進められてきた。しかし、中国向けEVの開発は現地企業に任される形へと変わりつつある。この変化は現地生産の枠を超え、供給網を動かす権限が中国側へ移っていることを示している。

 日本メーカーは自社の技術的な基盤を、中国の資源に合わせて活用する道を選んだといえる。本稿では、日本メーカーが中国企業へ開発権限を任せる背景を整理し、供給網が中国中心に移りつつある現状を踏まえ、日系サプライヤーが生き残る道を探る。

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