「中国の部品が9割?」 トヨタ“EV変革”が迫る供給網の転換、系列維持に突きつけられた現実とは

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中国EV市場で進む主導権の移行は、トヨタ「bZ3X」が4か月で約2.6万台、累計8万台を販売した事実にも表れる。価格は約253万~368万円と低く、部品の多くを中国系に依存する中で、日本メーカーと日系サプライヤーは開発権限と供給網の変化に直面している。

低価格戦略の成果

トヨタ・鉑智3X(bZ3X)(画像:広汽トヨタ)
トヨタ・鉑智3X(bZ3X)(画像:広汽トヨタ)

 トヨタのEV「bZ3X」は、2025年3月6日に中国で発売された。予約開始から1時間で1万件を受注し、予約サイトへのアクセスが集中して接続できなくなる事態も発生した。7月末までのおよそ4か月で約2.6万台を販売し、12月末には累計で8万台を超えた。

 人気が集中した要因は、日本メーカーのEVとしては例のない水準の低価格にある。車両価格は10.98万~15.98万元(約253万~368万円)で、比亜迪(BYD)の主力モデルである「元PLUS」と競合する。この価格帯での競争力が購入を後押ししており、日本車のブランド価値が価格との関係のなかで相対化されている状況がうかがえる。

 広汽トヨタによる開発は、低価格の実現を重視する一方で、トヨタが長年強みとしてきた信頼性や使いやすさも維持している。しかし経済的に見ると、日本メーカーが利益率を抑え、中国の市場条件に合わせる方向へ踏み込んだ結果でもある。

 実際の利益の多くは、基盤を提供した中国側の企業へと流れる構造になっており、日本メーカーにとっては収益と引き換えに市場での存在を確保する状況が続いている。トヨタはbZ3Xの実績を踏まえ、現地への開発の任せ方をさらに進め、EV市場での地位を維持するための体制づくりを進めている。

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