「中国の部品が9割?」 トヨタ“EV変革”が迫る供給網の転換、系列維持に突きつけられた現実とは
中国EV市場で進む主導権の移行は、トヨタ「bZ3X」が4か月で約2.6万台、累計8万台を販売した事実にも表れる。価格は約253万~368万円と低く、部品の多くを中国系に依存する中で、日本メーカーと日系サプライヤーは開発権限と供給網の変化に直面している。
東南アジアへの波及

日本メーカーが中国企業へ権限を移したことで、現地の需要に沿った部品選びが進んでいる。日系サプライヤーは、ソフトを中心とした車両づくりや知能化への対応に加え、開発の進め方を大きく速める必要がある。中国企業だけで完結する開発体制が今後も広がる見通しのなかで、日系サプライヤーが日本メーカーの事業に関わる余地は狭まりつつある。
トヨタは中国での成果を東南アジアにも広げる考えだ。2028年ごろに東南アジアで投入する新型車では、中国系部品を使い、従来より3割のコスト削減を目指す。この3割という大きな削減目標は、既存の日系取引先の工夫だけでは届きにくく、調達先のあり方そのものを見直す動きを示している。
実際に、タイの有力な提携先であるサミット・グループに、中国の内装材メーカーである「蕪湖躍飛新型吸音材料」を紹介し、2025年1月に共同出資会社を設けた。日系メーカーが自ら中国部品企業の海外進出を後押しする動きは、これまでに見られなかった。
タイのサミット・グループは2009(平成21)年に日本の金型大手オギハラ(群馬県太田市)を買収した経緯を持つが、現在は中国企業の力を取り込む方向へと動いている。日系メーカーが東南アジアという自らの基盤に中国企業を受け入れる動きは、既存の供給網に変化をもたらしている。
市場の要望を速やかに製品へ反映させる体制を整えるためには、コストと速度に優れる中国企業との連携が欠かせない状況にある。