欧州PFAS規制が迫る――自動車サプライヤーに広がる“素材転換”と供給網の再編圧力【連載】自動車部品業界ウォッチ(7)
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欧州のPFAS規制を契機に、自動車部品は素材や熱管理まで見直しが迫られている。EV・HVの普及で重要性が増す冷媒や絶縁材は、代替技術の開発競争が進み、2026年の審議を前に企業の対応力が収益と競争力を左右する局面に入っている。
欧州規制がもたらす部品転換圧力

自動車産業は、電気自動車(EV)への急速な移行により、100年に一度といわれる大きな変化のなかにある。一時はEVがエンジン車を置き換える勢いだったが、いまはその反動としてハイブリッド車(HV)を見直す動きも広がっている。この大きな変化のなかで、部品メーカーはこれまでのやり方を見直し、生き残りの道を探っている。
こうした状況のなかで新たな懸念となっているのが、樹脂素材として広く使われてきた有機フッ素化合物(PFAS)に対する欧州の規制である。欧州ではPFASの全面的な使用停止を求める案の検討が進んでいる。この規制が正式に決まれば、部品の作りそのものを大きく変える必要が生じ、特にEVの広がりに影響が及ぶ可能性がある。欧州が環境保護を掲げてルール作りを進める動きは、域外のメーカーに対して技術面での参入の難しさを高める狙いとして受け止められる面もある。
一方で、この規制を前向きな機会と捉える企業もある。規制に対応した代替製品をいち早く市場に出すことができれば、供給網のなかで主導的な位置を確保できるためだ。本連載の第7回では、PFAS規制がもたらす変化の実態を整理し、生き残りを図る部品メーカーの最新の取り組みを取り上げる。