旅客機の後ろにある「小さな穴」は何なのか? 誰も教えてくれないその正体とは
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旅客機後部の小さな円形の排気口――補助動力装置(APU)が生む電力と圧縮空気は、駐機中の機体運用を支え、主エンジン始動にも不可欠。燃料消費や騒音の課題を抱えつつ、航空業界では電動化や燃料電池への転換が進む。
小型ガスタービン

APUは小型ガスタービンだが、主エンジンとは役割が異なる。推力を生むのではなく、電力と圧縮空気を供給することが主な目的だ。
現代の旅客機では、エンジンが停止していても多くの装置を動かす必要がある。コックピットの計器類や客室照明、空調、機内コンピューター、油圧系統などは、ゲートに駐機中でも稼働を続けなければならない。
APUは通常、機体のバッテリーで起動する。始動後は独立した電源として機能し、電力と圧縮空気を同時に供給する。圧縮空気は特にエンジン始動で重要だ。ジェットエンジンは停止状態から自力で回転できないため、外部からコンプレッサーを回す必要がある。APUが送る高圧空気は、空気圧スターターを駆動し、エンジンを回転させる。
一般的な出発前の手順は、まずバッテリーや地上電源で機体を起動し、次にAPUを始動する。電力と空調を供給しつつ圧縮空気を送り、主エンジンを始動させる。エンジンが安定すれば、APUは停止する。この仕組みにより、航空機は外部設備に依存せず運用できる。
万一、APUが使用できない場合に備え、空港には代替となる装備も用意されている。