旅客機の後ろにある「小さな穴」は何なのか? 誰も教えてくれないその正体とは

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旅客機後部の小さな円形の排気口――補助動力装置(APU)が生む電力と圧縮空気は、駐機中の機体運用を支え、主エンジン始動にも不可欠。燃料消費や騒音の課題を抱えつつ、航空業界では電動化や燃料電池への転換が進む。

なぜAPUは後部にあるのか

飛行機(画像:写真AC)
飛行機(画像:写真AC)

 APUがテールコーンに設置されるのには、いくつかの理由がある。

 まず安全性だ。APUは燃焼を伴う高温のガスタービンであるため、乗客区画や主要機器から離れた場所に置くのが望ましい。機体後部なら、万一の故障や火災があっても影響を最小限に抑えやすい。

 タービンは高周波の音も発生する。後部に配置することで、客室や操縦室への騒音や振動の影響を隔離できる。

 排気処理のしやすさも利点だ。排気ダクトを直線的に外部に導きやすく、高温排気を安全に放出できる。これが外から見える円形の排気口、つまり尾部の「穴」である。

 整備のしやすさも考慮されている。後部胴体には点検用パネルが設けられ、APUはモジュール単位で取り外しや交換が可能だ。

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